トップダウンとボトムアップ
よく聞く言葉ですね。
今日はその本当の意味を考えていきたいと思います。
「なんとなく知っている」から「理解している」ようになって、明日からの臨床でお役に立てればと思います。
ボトムアップ
これはほとんどの人が学生時代に経験しているので、分かると思います。
とりあえず、ひたすら全ての評価を実施する。
この評価結果から、評価内容をまとめて(統合)、それらが示している意味を考える(解釈)。
統合と解釈では、何を探しているかって知っていますか?
全ての状態を知って、その中で、
「動かないところ」「動きにくいところ」
を探しています。
なぜ、動かないところを探す必要があるのでしょうか?
「なんとなく」探している人が多いのではないでしょうか?
私たち療法士は、人を評価する為の大前提として、
誰もが、
【動きやすい身体】
を目指しているはずです。
【動きやすい身体】
とはどういう身体なのでしょう。
動きやすい身体とは?
それは、
【安定している部位と動く部位を作り出せる身体】
安定させる場所がなければ、動くことはできません。
だから、不安定な場所を安定させようと間違って代償として「固定」を作ってしまう人が多い。
「固定」をしている身体は、動きにくい身体。
その固定をしている場所を、安定していると間違った評価をしてしまうセラピストも多いですね。
だから固定と安定についても、ここでしっかりと区別してください。
さらに、
【安定=極度な不安定】
を理解しなければいけません。
安定=極度な不安定
〇と△と□では、
一番動きやすいのはどれで、一番動かないのはどれでしょう?
一番動きやすいのは、〇。
動かないのは、□。
□は、動かないから安定していると思う人も多いと思いますが、
ここでいう安定は、モノでの安定。
モノでは、動かない前提。
人は、動く前提。
これらの安定は区別しなければいけません。
区別していないから、背臥位(基底面が一番広い)が一番安定しているという間違った解釈が拡がっている。
背臥位が一番安定しているのであれば、余計な筋緊張があるのはおかしいですよね?
でも、多くの人は余計に力を入れて背臥位をとっています。
そのほとんどが「固定」です。
そうして、筋緊張を高めていないと動く時に、サッと動けないから。
やっぱり人は動くことを前提として考えていく必要がありそうですね。
モノで一番人に近い安定を作り出せるものがあります。
一番ヒトに近いモノとは?
それが、
おきあがりこぼし。
倒れそうになっても、元通りになる。
でも、ゆらゆらしていて不安定のようにも見える。
これが極度の不安定でも、安定している状態。
人の身体も同じように、極度の不安定だけども、いつでもすぐに基底面の中心に重心をもってこれるような身体を目指す必要があります。
ということは、固定しているところは問題ということにもつながりますよね?
固定していると動きがゼロ。
だからといって固定部位に対してすぐにアプローチしてしまうと、痛い目にあいます。
それは、
固定の種類は二種類あるから。
固定の種類は2種類ある
固定している理由は、
①その部位が不安定だから固定している
②バランスをとる為に固定している
の2種類あるんです。
そもそも肩関節の構造が不安定だから大胸筋で固定している場合ってありますよね?
その固定を外すとより不安定になって、さらに固定を強める可能性もあります。
立位バランスが悪くて肩甲帯を固定している人って多いですよね。肩こりの要因の一つでもありますが。
こういう場合も、固定を外すと不安定となり、その場所もしくは別の場所で固定を強める可能性もあります。
固定を外すことって結構リスクが高いんですよね。
じゃあどうすればいいのか?
先に安定させる部位を見つける
これがトップダウンに必要な考え方。
安定させる部位・・・つまり、不安定な部位を探す。
不安定な部位によって、固定を強めている部位があります。
こういう場合は、安定させてあげれば固定は自然と外れます。
バランスをとっている場合も同じで、
安定したバランスとなれば、固定は外れます。
だから、
トップダウンでは、
不安定な場所を見つけることがとても重要になります。
その見つけ方は、またの機会にでも。
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