アライメントという言葉は知ってるけど・・・
何故大切なのかと言われるとわかりません。
私が学生だった時に聞いた話だと、
アライメントは、骨と骨の位置関係ということ。
でも、今考えてみると、それは間違いということが分かりました。
アライメントとは、本来、
【一直線に戻すこと】
というところまでの意味が含まれています。
位置関係を一直線上に戻すことがアライメントということ。
これを踏まえたうえで、
アライメントで考えなければいけないことをお伝えしていきます。
【骨と骨のアライメント】【骨と筋のアライメント】【筋と筋のアライメント】
これら3つについて。
その前に、
アライメントが崩れている状態とは、
解剖学的な位置関係(FTAなど)から考えて逸脱している場合が崩れていると言っていいのでしょうか。
おそらく多くの方は、アライメントが崩れていると言うと思います。
ですが、アライメントが崩れている状態でも、問題ないことも多いかと思います。
私たちセラピストが考えなければいけないのは、
【そのアライメントであることによって、今、もしくは、未来に何らかの影響がでて日常生活が不自由になる可能性がある場合】に、
アライメントが崩れていることが問題となってくるのだと思います。
ということは、解剖学的な位置関係では測れないことはたくさんありそうですね。。。。
例えば、大腿骨と脛骨の関係性で考えてみると、
背臥位で脛骨の外旋が強い場合(結構いますよね)、脛骨のアライメント不良だと答えるセラピストが多いですが、
それが日常生活に問題なく、痛みもなく、動作時にはその外旋が減少して関節面の適合性も良好な場合は、気にする必要はなさそうですね。
ですが、
その脛骨外旋の為、荷重時に足部の内側縦アーチがつぶれてしまい、外反母趾を助長してしまうという場合は、脛骨外旋に対しての何らかのアプローチが必要です。
しかし、それだけではわかりません。
もしかすると、股関節内旋位にあるのかもしれません。
臀筋の出力が弱くて、股関節内旋位になることで、下腿が外旋しアーチが潰れているのかもしれません。
いや・・・もしかすると、骨盤前傾位だから?腰背部の緊張が高いから?コアが働いていないから?
などなど、どんどん評価するべきポイントが出てきます。
ということは、
骨と骨のアライメントを診ることで、何が分かるかというと、
その人の長年の運動パターンが分かるという事です。
骨は長い年月かけて変形していきます。
骨のアライメントの通りに動きが出ていれば、昔ながらの運動パターンということ。
骨のアライメントから逸脱した動きをしているのであれば、新たに作り出された運動パターンということ。
動きは、脳内に保存されているパターンを第一選択として作り出されます。オペや脳出血などで、機能構造が変化することで、
新たな戦略が作り出されます。
ですので、骨のアライメントを診ることでその人の過去の運動パターンが予測することができるということ。
それに加えて、
筋と筋のアライメントを考えていきます。
筋と筋のアライメントが崩れる場合は、筋膜によって隣接する筋に引っ張られていることが考えられます。
筋緊張が低下していて、筋腹が拡がっている場合にアライメントが崩れているという人もいますが、
その状態から活動時に元の位置へ戻ることができれば、大きな問題ではないかと思います。
例えば、三角筋後部繊維と大円筋や広背筋などの内旋筋群に軽度の癒着(同時に収縮する脳活動も含む)がみられ三角筋後部繊維が尾側へ下がっている場合、
肩関節挙上時に三角筋後部繊維と上腕骨の間で滑走が行われずに三角筋後部繊維が一緒に頭側へついていってしまう。
そのような場合は、三角筋と内旋筋群のアライメント不良と言えるかと思います。
この筋と筋のアライメント不良の場合、そこまで長い経過を辿っていないという事が分かるかと思います。
筋収縮は、常にモニタリングをしながら収縮しているので、現在の状況に合わせての活動です。
この活動が長期に渡って繰り返されると、付着部の骨に影響を与え続け、骨のアライメントまで変えてしまうということです。
また、骨と筋のアライメントに関してですが、
大腿骨に対して内転筋群が前方に変位していますなどと表現する場合があります。
これは、その筋単独では考えにくいことですよね?
おそらくほとんどの場合は、他の筋によって内転筋が前方に変位しているように見えるという事だと思います。
起始停止が変わることはありえないので、骨に対して筋が単独で変位しているということは他の筋の影響。
ということから、
骨と骨のアライメントで、過去のパターンを知り、
筋と骨のアライメントで、筋の位置関係を探り、
筋と筋のアライメントで、現在(直近も含む)のパターンを知る。
これらをきちんと整理しておくことで、今自分が何の情報を探しているのかを見つけることができます。
何のためにアライメントを診ているのかは、
その問題が今の問題なのか、過去のものなのかを把握する為。
骨のアライメントが崩れているからと言って、アライメントを正中に正すという作業をしたところで、またもとに戻ってしまうのは、過去の運動パターンはなかなか変えられないからです。
それよりも、筋のアライメントを変えて、筋緊張の分布を変えて、今の運動パターンを変えることが、運動学習には持っていきやすい気がします。
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