どうも皆さん!おはこんばんにちは!GTCテクニカルアドバイザーの西山祐二朗です。
なかなか好評な、この触察の基本技術。
シーズン1からきちんと読んでくださいね。
初めてこれを読んだ方は、下記から飛んじゃってください!
〜〜目次〜〜
シーズン4.触れない3つの阻害因子
シーズン6.自身のバランスの影響を知る
シーズン7.触る前が1番大切
シーズン8.実技
〜〜〜〜〜〜
それでは、今回はシーズン4.触れない3つの阻害因子。
触るということだけでも、膨大な学習が必要だということがわかってもらえるだけで、この記事を書いてる意味があります。
そんな触る時に邪魔をする3つの阻害因子とは?
①今までの経験により予測しているということを知らない。
②脳内で情報が統合され、修飾されていることを知らない。
③自分自身が不安定なバランスだということを知らない。
言うのは簡単ですね。
読んで知ってると思うのも簡単ですね。
大切なのは、それらを自分の頭の中から捻り出すこと。
そう。それが、
「考える」ということ。
見るだけで理解した気になってるから、質問されたらとっさに出てこないんです。
何もない状況から想起すること。
これができないと、学習したとは言えません。
よく「考え」ながら読んでくださいね!
①今までの経験により予測しているという事を知らない。
何事も、私たち人間は過去の経験に左右されているということを知っておく必要があります。
例えば過去の経験が少ない赤ちゃんが分かりやすい。
入浴する時に足がつかない状態で水にプカプカ浮いていると、ギャンギャン泣く子がいます。
その子の足をバスタブの壁につけてあげると、泣きやむことがあるそうです。
赤ちゃんの記憶は、多くないので分かりやすいですね!
お母さんのお腹の中は窮屈そのもの。接触面積が広くないと泣いてしまいます。
「おくるみ」をすると、落ち着くのも理解できますね。
膨よかな女性の抱っこで安心するのも同じですね。
だから、私たちセラピストもこれまでしてきた経験から予測してるということが理解できますよね?
何が言いたいかわかりますか?
今あなたが触ってる物の感覚は、あなたの過去の経験があるから、それが何か分かってるんです。
経験したことがある物を触る時は、もちろん予測もできる。
触る前に、柔らかくて丸くてこれくらいの重さで…とかある程度わかる。
ここで1つ付け加えたいと思います。
予測していく上でもう少し大切なのが、
視覚情報。
そこにあるのが何か、目で見て分かってるから正確な力加減で触ることができます。
これは、目と手の協調とかの話になってきますが、見たからと言って正確な力加減を出せるかというとそうではないのが私たち不完全な人間です。
鍋の豆腐を箸で持てる人と持てない人との違いですね。
ですので、視覚情報があったほうが、正確さを増すことができるくらいにしておきましょうか。
さらに、予測できないことは、恐怖に変わります。
箱の中身はなんだろう♪
引用:http://warapappa.jp/archives/1512072.html
よく芸人さんがやってるアレ。
中身が分からないので触る事を躊躇します。
知らないと恐怖に変わります。
箱の中身が例えぬいぐるみでも。。。
だから、予測するということがどれだけ大切なのかわかりますね。
触察に必要なことは、
過去の経験と比較し、その差異を感じる能力。
これメチャクチャ重要です!
皮膚というものがどれ位の厚さがあるのか、
筋膜というものはどれ位伸長することができるのか、
筋の粘弾性はどいう感覚なのか、
などなど、いろいろな経験をしていない人には、
残念ながらその違いすら見極めることができないのです。
だから必然的に、練習の量と時間が必要になりますね。
そこに時間をかけれない人は、やっぱりそれなりにしか伸びないですね。(たまに厳しいことを言ってみる・・・笑)
②脳内で情報が統合され、修飾されていることを知らない。
私たちの脳はとても複雑に作用しあっています。
でもほとんどの人が、入力されている感覚を純粋な感覚だと勘違いしている。
見えてる世界が周りの人と一緒だと感じている人がほとんど。
でもですね、私たちの脳内では、
純粋な感覚に加えて、過去の経験と周囲の環境という2つのスパイスが最低限加わります。
そこをどれだけ考慮していけるのか。
さらに視覚情報、聴覚情報などなどその他の感覚器の情報がプラスされて、それらを含めて今あなたが触っているものがなんなのかを認識しています。
だから、触り方がちゃんと分かってくると、
「これくらいの刺激を入力したら、患者さんにはこういう感覚が入力されるな」
というのが理解できるようになる。
たとえば、
背臥位で股関節の外旋の感覚を入力したいときは、関節運動を引き起こさなくても、外旋の感覚を入力することができます。
反対に、それが分からない人は、外旋の関節運動をしているのに、感覚入力は内旋が強くなってしまってたりします。
だから抵抗が強くなったり、足が重くなったり…
この状態は、患者さんとセラピストとの間で起こる触覚のコミュニケーションがうまくいっていない状態ということ。
だから講師陣が少し補助するだけで、軽く動いたり、重さが軽くなったりするんですね。
患者さんの脳内には情報が増幅して伝わっていることを忘れないでくださいね。
③自分自身が不安定なバランスだということを知らない。
これこそ、皆さんに知っておいて欲しい、そして練習して欲しいことです。
身体を上手に使えない人が多過ぎます。
身体を上手に使うとはどういうことか?
それは、
自分主導の触り方をやめるということ。
こう言うとわかりにくいですよね。
違う言い方をすると、
手をオープンで使うのではなく、クローズで使うということ。
今メチャクチャ大切なこと言いましたよ?
もう一度言います。
手をクローズで使う。
基本的に、手という遠位を動かす人がほとんどですね。
だから指に力が入ってしまったりします。
そうではなくて、
手関節や肘関節、肩関節、肩甲骨、胸郭、脊柱…という近位を動かしていく。
これが必要なのですが…なかなか出来ないのです。
グラウンディングや体軸などなどいろいろな言い方をされていますが、
土台が安定していない限り、運動は作り出せません。
自分自身のバランスが悪いと、相手も揺らしてしまいます。
理解しても実践できる人が少ないのは、みなさんの練習の量と時間が足りないからです。
しっかりと練習していきましょう!
長くなりましたので、この辺で。
次回、シーズン5.触るための極意1〜3。
お楽しみに〜!
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『足が抜ける症状』という長距離陸上選手に頻発する原因不明の症状に立ち向かう西山がお送りする
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